■利用者の声を聴くことで、はじめてサービスの質が担保される
[所在地] 〒252-0221 神奈川県相模原市中央区高根1-15-5
[会社設立] 1963年3月6日
※1988年より福祉用具レンタル・販売サービスを開始
[提供サービス] 福祉用具レンタルサービス
※ほかに、住宅改修、テキスタイルレンタル、寝具リース等の事業を展開。
【相模原営業所】
当営業所では振興会の「利用者評価」を過去10年以上実施しており、各年の「介護サービス評価実施証」(写真右)が営業所受付(兼福祉用具展示スペース)に掲示されている。
「利用者評価」を実施するようにしたのは、介護保険でも謳われているように、自主的な評価もさることながら、それ以外に第三者評価(この場合利用者の評価)をすることではじめてサービスの質が担保されると考えたからである。
質の高いサービスの提供を目指す意味から、振興会の「利用者評価」以外にも、アンケートはがきを利用した自社独自の「利用者アンケート」を介護保険導入直後から継続的に実施してきている。
新規契約時のほか、3か月に一度のモニタリング(定期点検サービス)時などに、アンケートはがきを利用者に配布(または郵送)している。回答データは本部で一元的に集約、管理している。回答内容については、お客様を担当する各営業所にフィードバックされ、必要に応じて対応している。これ以外にも、他の営業所で起きている成功事例や失敗事例等も参考情報として共有し、参考にしている。
ただし、「利用者アンケート」は会社名で実施しているため、客観性という面ではどうしても問題がある。その点、「利用者評価」は第三者である振興会が実施し直接回収するかたちなので、客観的なところがメリット。「利用者評価」の結果については、報告書受領後、所員全員で会議を開催し、結果を確認共有したうえで、すぐに改善できるものは何か、中長期的に見て見直しを図るべきことは何か、などを話し合うようにして活用している。
【介護サービス評価 実施証】
新規契約時のほか、3か月に一度のモニタリング(定期点検サービス)時などに、必要に応じてアンケートはがきを利用者に配布(または郵送)している。回答データは本部で一元的に集約、管理している。
回答内容については、お客様を担当する各営業所にフィードバックされ、必要に応じて対応している。これ以外にも、他の営業所で起きている成功事例や失敗事例等も参考情報として共有し、参考にしている。
ただし、「利用者アンケート」は会社名で実施しているため、客観性という面ではどうしても問題がある。その点、「利用者評価」は第三者である振興会が実施し直接回収するかたちなので、客観的なところがメリット。「利用者評価」の結果については、報告書受領後、所員全員で会議を開催し、結果を確認共有したうえで、すぐに改善できるものは何か、中長期的に見て見直しを図るべきことは何か、などを話し合うようにして活用している。
■福祉用具貸与サービスの価値をどのように伝えるかが課題
介護保険が適用されるサービスの中で、福祉用具貸与サービスだけが、人的サービスというより物品サービスであり、なかなかその価値を伝えることが難しく、また理解してもらえない。介護サービスの多くは人的サービスであり、サービスを提供する人によってかなりの差がでるので良し悪しが割と明確になりわかりやすいが、福祉用具レンタルの場合、どうしても価格優先の判断になりがちで、適正価格というものをはっきりとアピールできないもどかしさがある。
利用者に対して、あるいは利用者との間に介在するケアマネさんに対して、福祉用具はここがいいんだということをどうやって伝えられるかが課題。
利用者にあったものを提供できるか、適正な使われ方をされているかを定期的にモニタリングし、しっかりチェックすることがレンタルサービスの質に関わる部分だと思うが、この点がなかなか理解されにくい。実際に使ってもらった人はともかく、新規の利用者に対して、このような点をわかりやすく伝えることは難しいのが現状だ。
■適正な「福祉用具サービス計画書」の啓蒙を通じてサービスの差別化を図る
福祉用具の専門性の評価が難しい中、来年の介護保険制度改正でケアマネの質の担保が指導見直しの対象となっているが、すでに今年
度から「福祉用具サービス計画書」が義務化され、厚労省から評価表も打ち出されている。
ケアマネがケアプランの中に福祉用具貸与サービスを位置づけた場合、他のサービスと同じように、短期目標、長期目標を設定し、それを踏まえてサービス事業者に確認を取って適正なサービスが提供され続けているかをケアマネとして評価することになる。
こういったことが浸透してくると、福祉用具レンタルにおいてもサービスの差別化(あるいは業者の選別)が進むようになるかもしれないと考えている。今後、福祉用具サービス計画書の中身の必要性・納得性を高めていく必要あり、ケアマネにもそのことを理解してもらう必要がある。
モニタリングにより継続利用の経過を見ていく中で、どんな見直し、改善をしていくべきかをケアマネさんや事業者の方に提案ができるようにしていく必要があると考えている。そうなると、第三者の声(お客様の求めるもの)の質も変わってくるのかなと思う。
【相模原営業所所長 大脇 兼弘 氏】
計画書は書面だらけで利用者(高齢者)が真に計画書(の中味)を理解してくれるのか疑問に思うこともあるが、われわれとしては、福祉用具レンタルサービスの価値を理解してもらうためにも今後ますます計画書の重要性を啓蒙していく必要があると考えている。
■かながわ福祉サービス振興会の「利用者評価」等への要望
現行の評価項目は介護保険制度で遵守すべき事項になっており、原理原則ができているか否かが問われる内容になっている。これはこれで重要だが、今後はサービス計画書(客の同意と印が必要)の理解・納得度、短期目標の設定、モニタリング、見直しの提案内容に満足しているか、などに関する質問もあったほうがよいのではないか。最近では、最初にサービス計画書を導入する際、利用者への説明等はしっかりやられるようになっているが、問題はその後の見直しの段階以降にあると思う。
はたして適正なモニタリングや見直しが行われ、かつそのことが利用者に説明され、また利用者も納得しているのだろうかなどについて、ケアマネさんだけでなく、サービス提供業者もしっかり(PDCAのCとAが疎かになっていないか)チェックしていくべきだろう。
振興会の「自己評価」の項目(WEBで閲覧実施可能)については、自己評価の点検のベース(求められていることの確認事項)として活用している。自分たちの見直しの作業として、法令遵守にもなるので、利用している。ただし、ボリューム(評価項目)は網羅的でかなり多いという印象。全部をやろうとするとかなり時間がかかる。(抜粋版があってもいいのではないか。)